ウォンバットのひとりごと




多摩動物公園のチューバッカ君 (2000.9.22)



 ウォンバットは、色は茶色か、黒に近く、特徴もあまりないので、日本では知らない人も多いようだけど、ふるさとのオーストラリアでは、結構人気があるんだ。
 はじめてぼくたちを見た人には、「くま、いのしし、ぶた、ねずみ、うさぎ」なんて言われるけど、ウォンバット科のウォンバットなんだよ。
人気のあるコアラの親戚なんだ。

 ぼくたちを見て、「でかい!」と言う人が多いので、ウォンバットはもっと小さいと思われているらしい。
ぼくたちに会いに来てくれた人には、よく、眠ってばかりといわれるけど、夜行性だから、みんなが会いに来てくれるときは、ぼくたちには夜なんだよ。

 ウォンバットは、実は、脚が短く内股!
でもね、背伸びしたときの後足の短さと胴の長さがとてもかわいいんだって。
内股で歩くぼくたちの後姿も、ぼくたちのファンにはたまらなくかわいいらしいよ。
内股で、足の裏を見せながら歩くので、そのときに見える足の裏がまたかわいいって言う人もいるんだ。
                           
 大人のウォンバットの体重は、小さいのでは20kgくらい、大きいのでは40kgくらいにもなるんだよ。
大人のウォンバットはこんなに大きいけれど、生まれたときは豆粒くらいで、30日たっても5cmくらいなんだ。 このときはまだお母さんの袋(pouch)の中にいるんだけどね。
ウォンバットは有袋類だから、生まれて7ヶ月くらいはお母さんの袋の中にいるんだよ。
 
 大人のウォンバットのお尻は石のように硬いんだ。
野生ではこれがちょっとした武器になって、ぼくたちの身を守るんだよ。
つめは長くて、強いから穴掘りが上手なんだ。
歯も丈夫で伸び続けるんだよ、便利でしょう?

 ウォンバットは草食で、野生では草、特にイネ科の細長い植物(blade of grass)や根を掘って食べているんだよ。
農家の人たちが作っている野菜も、ぼくたちは掘ってはいけないことを知らないから、掘って食べてしまうこともあるんだ。
動物園のウォンバットは、にんじん、さつまいも、小松菜、りんごなどを食べているんだよ。

 ウォンバットは横穴を掘って自分達の家を作っているんだよ。
ふつうは数メートル、ときには30メートル以上も横穴を掘ることがあるんだ。
        

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 尚、ウォンバットは、コモンウォンバット(ヒメウォンバットとも言われています。英語名はcommon wombat)、北毛鼻ウォンバット、南毛鼻ウォンバットの3種類に分けられますが、このホームページでウォンバットと言っているのは、コモンウォンバットのことです。